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米公衆衛生局の医務総監、受動喫煙による健康被害を警告 −受動喫煙に安全なレベルはないと結論づける− |
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| 2006年7月12日 |
禁煙広報センター |
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米国、保健社会福祉省公衆衛生局のRichard Carmona(リチャード・カーモナ)医務総監は、先月27日、受動喫煙による健康への影響について報告書をまとめ、発表した。その報告書『The Health Consequences of Involuntary Exposure to Tobacco Smoke: A Report of the Surgeon General, U.S. Department of Health and Human Services』(医務総監報告−受動喫煙が健康に及ぼす影響)は、以下の6つを今回の調査・報告の結論としてあげている。
| 1. |
たばこ規制は大きく進展しているが、依然として大人、子供を問わず数百万もの米国人が家庭や職場で受動喫煙を強いられている。 |
| 2. |
受動喫煙が、喫煙しない大人や子供の病気や早期死亡の原因になっている。 |
| 3. |
子供が受動喫煙を強いられると、乳幼児突然死症候群(SIDS)、急性呼吸器感染症、耳の病気、ぜんそくの重症化などの危険性が高まる。親が喫煙者の場合、子供の呼吸器疾患や肺の成長遅延の原因となる。 |
| 4. |
大人の受動喫煙は、循環器に直ちに悪影響を及ぼし、冠状動脈性心臓病や肺がんの原因となる。 |
| 5. |
受動喫煙には安全なレベルというものはないことが科学的証拠により明らかになっている。 |
| 6. |
室内を禁煙にすることで、非喫煙者は副流煙から完全に保護される。分煙や空気浄化、建物の換気では、非喫煙者の受動喫煙をなくすことはできない。 |
「医務総監報告−受動喫煙が健康に及ぼす影響」は、米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC、注1*)国立慢性疾患予防・健康増進センターの喫煙・健康局(Office on Smoking and Health)が作成したもので、執筆は主執筆者として選ばれた米国の22人の専門家が担当した。報告書の各章は40人の専門家によって校閲され、さらに報告書全文が30人の独立の科学者および米国疾病予防管理センターと保健社会福祉省の上席科学者によって校閲された。校閲では、校閲者のコメントに応じて報告書に適宜修正が加えられた。
注1*:米国保健社会福祉省所管の感染症対策の総合研究所
原文(英語)は、以下URL参照。
http://www.surgeongeneral.gov/library/secondhandsmoke/report/
【各結論の論拠】
1. たばこ規制は大きく進展しているが、依然として大人、子供を問わず数百万もの米国人が家庭や職場で受動喫煙を強いられている。
<根拠>
・受動喫煙の程度の指標となる化学物質コチニン(注2*)の濃度は、1988〜1991年の3年間と2001〜2002年の2年間とを比較すると、70パーセント減少しているが、国全体の調査では米国人非喫煙者の43%が依然として検出可能な濃度のコチニンを有している。
・米国の3〜11歳の子供のうち、ほぼ60パーセント、人数にするとほぼ2,200万人が副流煙にさらされている。
・ 米国の室内労働者の約30パーセントが職場禁煙規定で保護されておらず、受動喫煙を強いられている。
注2*:コチニンは、体内に取り込まれたニコチンが分解されるときに発生するニコチン代謝物で、それ自体には害はない。体内に取り込まれたニコチン量を測る基準となり、喫煙(受動喫煙)後、2〜3日間、体内に残留する。
2. 受動喫煙が、喫煙しない大人や子供の病気や早期死亡の原因になっている。
<根拠>
・副流煙には、ホルムアルデヒド、ベンゼン、塩化ビニル、ヒ素、アンモニア、シアン化水素など、有害もしくは発がん性物質として知られている数百種類もの化学物質が含まれている。
・ 副流煙は、米国の環境保護庁、国家毒性プログラム、国際がん研究機構(IARC)によって「既知のヒト発がん性物質」に指定されている。国立労働安全衛生研究所では、副流煙は職業性発がん物質であると特定している。
3. 子供が受動喫煙を強いられると、乳幼児突然死症候群(SIDS)、急性呼吸器感染症、耳の病気、ぜんそくの重症化などの危険性が高まる。親が喫煙者の場合、子供の呼吸器疾患や肺の成長遅延の原因となる。
<根拠>
・ 副流煙にさらされる子供は、喫煙者と同じ発がん性物質や有害物質の多くを吸引することになる。体が発育途上である乳幼児や小さい子供は、副流煙の有害物質による影響を特に受けやすい。
・ たばこの煙にさらされない乳幼児と比較すると、母親が妊娠中に喫煙していた乳幼児と出生後副流煙にさらされる乳幼児は、乳幼児突然死症候群(SIDS)によって死亡する可能性が高くなる。
・母親が妊娠中に喫煙していた乳幼児や出生後副流煙にさらされる乳幼児は、たばこの煙にさらされない乳幼児と比較して肺が弱くなり、さまざまな健康障害の危険性が高まる。
・受動喫煙は乳幼児や子供の気管支炎や肺炎の原因となり、耳の感染症の危険性が高まる。
・ぜんそくにかかっている子供が副流煙にさらされると、発作の頻度が高くなり、程度もより深刻になる。
4. 大人の受動喫煙は循環器に直ちに悪影響を及ぼし、冠状動脈性心臓病や肺がんの原因となる。
<根拠>
・多くの発がん性物質や有毒化学物質の濃度は、喫煙者が吸引する煙よりも副流煙のほうが高い。
・短時間であっても、副流煙の吸引は循環器に直ちに悪影響を及ぼし、心臓、血液系、脈管系の正常な機能を妨げて心臓発作の危険性を高める可能性がある。
・非喫煙者が家庭や職場で副流煙にさらされると、心臓疾患にかかる危険性が25〜30%高くなる。
・ 非喫煙者が家庭や職場で副流煙にさらされると、肺がんになる危険性が20〜30%高くなる。
5. 受動喫煙には安全なレベルというものはないということが科学的証拠により明らかになっている。
<根拠>
・短時間であっても、受動喫煙は血小板粘度上昇や血管内膜損傷、冠血流予備能の低下、心拍変動の低下をまねき、心臓発作の危険性を高める可能性がある。
・副流煙には、直ちに気道内膜の炎症や損傷を起こす多数の化学物質が含まれている。短時間であっても、受動喫煙によって健康な人の上気道が変化したり、ぜんそくにかかっている子供の場合は発作の頻度が上がったり、症状が深刻になったりする場合がある。
6. 室内を禁煙にすることで、非喫煙者は副流煙から完全に保護される。分煙や空気浄化、建物の換気では、非喫煙者の受動喫煙をなくすことはできない。
<根拠>
・従来の空気清浄機は、大きな粒子を取り除くことはできるが、副流煙に含まれる微小粒子やガスを除去することはできない。
・暖房装置や換気装置、空調装置を日常的に運転することにより、副流煙が建物中に広がる可能性がある。
・空調関連問題で権威のある米国の団体、米国加熱冷凍空調学会(ASHRAE)は、副流煙に伴う健康上の危険性を抑制するために換気技術に頼るべきではないと結論づけている。
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