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ヘビースモーカーの女性は妊娠の可能性が低くなる
ヨーロッパの研究グループが発表
2007年1月18日 禁煙広報センター
 ポルトガルのバレンシア不妊研究所所長の医師、セルジオ・ソアレス氏が率いる研究グループは先月9日、「Human Reproduction」誌のオンライン版で、「ヘビースモーカーの女性は妊娠する可能性が低くなる」という研究結果を発表した。ソアレス氏は、「喫煙が卵巣に悪影響を与えることにより妊娠しにくくなることは以前から知られていたが、今回の研究で、喫煙が子宮にもダメージを与えることが分かった」と語っている。

 研究は、非喫煙者または1日の喫煙本数が10本以下の女性(ライトスモーカー)741人と1日の喫煙本数が10本以上の女性(ヘビースモーカー)44人を対象とし、2002年1月から2005年6月の間に体外受精した受精卵を移植して、その後の経過を調べたもの。体外受精には、非喫煙者の男性の精子と、非喫煙者、または喫煙本数が1日10本以下の女性から提供された卵母細胞が用いられた。その結果、1日の喫煙本数が10本以下の女性の52.2%が妊娠したのに対し、喫煙本数が10本以上の女性は34.1%しか妊娠しなかった。また、ヘビースモーカーが妊娠した場合、多胎妊娠率が非常に高くなり、60%が双子になるという。なお、ライトスモーカーの多胎妊娠率は31%だった。

 研究グループは、体外受精した卵母細胞が他人から提供されたものであることから、今回の調査でヘビースモーカーの女性が妊娠しにくかったのは、卵巣に問題があったからではなく、受精卵が子宮に着床しなかったことが原因だったと言える、としている。さらに、喫煙量の多さから、子宮内膜の細胞の安定性が崩れるか、もしくは胚への反応を刺激するため、正常な妊娠率が低くなり、一方で、多胎妊娠の確率を増加させている可能性があると分析している。
 英国の体外受精の専門家、サイモン・フィシェル医師は、「たばこには何千もの有毒な成分が含まれており、着床しようとする受精卵と子宮との間の働きに悪影響を与える恐れがある。今回の研究で喫煙のさらなる毒性作用が明らかになった。妊娠したい人は禁煙したほうがよい」と語った。

 この研究の結果について、順天堂大学医学部附属練馬病院産科・婦人科科長の中村 靖助教授は次のようにコメントしている。「妊娠の成立・継続を考える上で、タバコの悪影響が精子や卵細胞に及ぶのみならず、受精卵の着床障害にも関わっていることが示されたことは、タバコの悪影響が多岐にわたっていることを物語っている。しかし、この研究結果を少量の喫煙であれば影響が少ないと捉えては問題の本質を見失うことになる。タバコは吸わないようにすることが肝要であり、この結果をもって少量の喫煙を容認するようなことがあってはならない。今後、非喫煙者と喫煙者とを比較した研究がなされることを期待する」

参考文献:
S.R. Soares, C. Simon, J. Remohi, and A. Pellicer, “Cigarette smoking affects uterine receptiveness”, Human Reproduction, Advance Access published online on November 9, 2006
http://humrep.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/del394v1
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