全国の医学部および付属病院の敷地内禁煙実態を調査
実施済み施設は、医学部30%・附属病院46%に留まる
2007年5月22日
禁煙広報センター
5月12日の第47回日本呼吸器学会で、産業医科大学産業生態科学研究所の大和 浩教授は、全国の医学部と附属病院の敷地内禁煙導入状況に関する調査結果を発表した。
日本呼吸器学会の喫煙に関する検討委員会では、「喫煙関連疾患による国民の健康障害を防止し、また、医療従事者自身の禁煙や医学教育における喫煙防止教育を促すためにも医学部とその附属病院が敷地内禁煙であることが重要である」と位置づけている。本研究は、その実態を調査するととともに、対応が遅れている大学と附属病院の禁煙化を促すことを目的として行われた。
本研究の対象は、全国の(旧)国立、公立、私立の医学部80校、附属病院84施設。医学部においては、「屋内と屋外ともに禁煙であるか」、附属病院においては、「屋外、一般病棟ならびに職員室も禁煙であるか」を調査した (今回は、精神科病棟の禁煙は問わなかった)。調査の結果、「敷地内禁煙を導入済み」の医学部は24校(30%)、附属病院は39施設(46%)。「禁煙化期日が決定」の医学部が3校(4%)、附属病院が4施設(5%)であった。一方で、「検討中だが日時が未定」の医学部は25校(31%)、付属病院は30施設(36%)、「未検討」の医学部は28校(35%)、付属病院は11施設(13%)であった(図1参照)。
本研究により、敷地内禁煙化に対する意識の差も浮き彫りになった。「全国の医学部や医療機関の敷地内禁煙についてどのように考えるか」の問いに対して、敷地内禁煙を導入済みの医学部と附属病院では、90%以上が「速やかに敷地内禁煙とするべき」と答えているのに対し、敷地内禁煙を検討中あるいは未検討の医学部と附属病院の過半数が「将来は敷地内禁煙とするべきだが、現在は時期尚早」と答えた。
本研究を行った大和教授は次のようにコメントしている。
「今や病院は建物内禁煙が当たり前であり、敷地内全体を禁煙にするかどうかが検討されている。保険による禁煙治療を行うにあたり、敷地内禁煙が必要条件となった2006年以降急増し、現時点では3割前後の病院が敷地内禁煙であると推測される。
喫煙者が敷地内禁煙の病院に入院すると、それがきっかけとなり、禁煙する人が増えるであろう。WHOが提唱するように、喫煙は予防し得る最大で単一の病気の原因であり、本来、医療機関の敷地内禁煙はもっと早い時期に導入されるべきであった。『喫煙する患者が居るから喫煙場所を残す』のではなく、『病院を敷地内禁煙とした上で、喫煙する者にはニコチン依存症の治療を実施』する病院がさらに増えることを期待したい。
喫煙する場所をなくしたら火事が心配、という声もしばしば耳にするが、敷地内禁煙にして火事が増えたというエビデンスは存在しない。むしろ、徹底した防火対策のためには、入院する際にタバコ、ライター、マッチを持ち込ませないタバコフリー・ホスピタルこそが有効な手段である。
さらに、医師・看護師の教育の場でもある医学部は、喫煙する医療従事者を世に送り出さないという観点から、一日も早く敷地内禁煙を導入せねばならない。」
尚、本研究は日本呼吸器学会「喫煙問題に関する検討委員会」が中心となって進められ、厚生労働省科学研究 循環器疾患等生活習慣病対策想像研究事業の一環としても実施されている。
この件に関する問合せ先
禁煙広報センター (
http://www.kin-en.info
) 屈岡(くつおか)/坂本
電話: (03)5445-1273 ファックス:(03)5427-7325
e-mail:info@kin-en.info
*5月31日は世界保健機関(WHO)が定める「世界禁煙デー」です。厚生労働省も平成4年から世界禁煙デーに始まる1週間を「禁煙週間」(5月31日〜6月6日)と定めています。
2008.5.20
お知らせ
2008.4.25
主要国のたばこ対策の現状
2008.4.18
家庭での受動喫煙、一番の被害者は2〜5歳の幼児
2008.2.12
英国禁煙法導入により、施行前年に比べ、禁煙成功者が28%増加
2007.12.12
禁煙推進議員連盟、たばこ価格・税を引き上げる決議採択
2007.12.10
乳児への受動喫煙は防止できるか
2007.9.27
母親の喫煙は、子どもをメタボリック症候群に
2007.7.13
禁煙補助剤の使用と禁煙試行率の増加で死亡者数が最大31万人減少
2007.7.12
パブも禁煙にしたアイルランド、家庭での喫煙は減少
2007.6.14
受動喫煙は認知症のリスクを増大させる
2007.5.22
全国の医学部および付属病院の敷地内禁煙実態を調査実施済み施設は、医学部30%・附属病院46%に留まる
2007.5.14
アイルランド、禁煙法施行で空気汚染物質の減少と従業員の健康状況の改善が明らかに
2007.3.30
カリフォルニア州ベルモント市で米国一厳しい禁煙法制定へ アパートやコンドミニアムでも喫煙を禁止
2007.3.20
世界で広がる自動車内での喫煙禁止の動き オーストラリア・タスマニア州や米国で子供のいる車内で喫煙禁止
2007.2.6
みやこ禁煙学会、京都で開催(2月11・12日、於:京都府立医大図書館ホール)
2007.2.1
世界各国で進む禁煙の法令化
2007.1.31
マレーシア、子供のいる自動車内での喫煙を禁止へ 今年末までに議会へ法案提出の動き
2007.1.18
ヘビースモーカーの女性は妊娠の可能性が低くなる
2007.1.17
JR6社における空気の清浄な車両の割合を比較
2006.12.12
「家庭、自家用車における受動喫煙曝露」第65回 日本公衆衛生学会で発表
2006.12.7
日本における喫煙室内タバコ煙の評価基準値、WHOの空気環境基準に比べ6倍高い
2006.11.15
喫煙により骨折と靭帯損傷の回復が遅れる
2006.10.30
香港で来年1月1日から禁煙法を施行
2006.10.18
喫煙によりHIV感染の危険性が増加
2006.10.11
英国国民医療保健サービスが試算
2006.10.5
米国でがんによる死亡者が減少
2006.9.15
ハワイで11月から新禁煙法を施行 すべての公共の場所で喫煙を禁止
2006.9.14
日本禁煙学会、「私はこうしてたばこをやめられたコンテスト」結果発表
2006.9.8
喫煙で急性心筋梗塞の危険性が約3倍に
2006.9.4
妊娠中の喫煙が子供の行動障害の原因になる可能性
2006.8.24
受動喫煙で乳がんの危険性が増す
2006.8.21
ニューヨーク州 禁煙法施行から丸3年 住民の80%が支持
2006.8.3
女性の方が喫煙による肺がん発病の可能性が高い
2006.7.28
カリフォルニア州のたばこ税、3倍増の可能性
2006.7.21
米国の16−24歳の若年喫煙者 77%が禁煙をトライ
2006.7.20
世界がん会議が「世界がん宣言」を発表
2006.7.12
米公衆衛生局の医務総監、受動喫煙による健康被害を警告
2006.7.7
たばこと健康問題に関する世界最大級の国際会議「第13回 たばこか健康か世界会議」開催
2006.6.21
喫煙によりED(勃起障害)の危険性が増す
2006.6.13
喫煙により骨粗鬆症の危険性が増す
2006.5.30
新幹線の車掌や販売員、長時間にわたり高濃度の受動喫煙を浴びる
2006.2.21
屋外でも禁煙
〜カリフォルニア州カラバサス市〜
2005.12.14
たばこの価格が500円に上がれば、半数が禁煙
2005.11.28
米成人喫煙率過去最低を記録
2005.11.7
パブ、レストラン禁煙
2005.10.5
職場での全面禁煙実施から1年、アイルランド
2005.9.28
インターネット対応携帯電話利用者の喫煙意識
2005.9.1
米国 喫煙者の76%が禁煙希望
2005.8.26
ハリウッド映画の悪役の喫煙率 35%
2005.8.24
カナダの喫煙率 過去最低を記録
2005.8.12
喫煙で、メタボリック症候群に
2005.8.10
喫煙とADHD(注意欠陥多動性障害)の関係
2005.7.25
禁煙の父 リチャード・ドール氏死去
2005.7.15
喫煙による死亡で、年間920億ドルの損失
2005.7.12
スイスの公共交通機関が禁煙に
2005.7.8
たばこの価格引き上げによる禁煙効果
2005.7.5
英国政府、大胆な禁煙活動
2005.6.8
世界禁煙デー奈良フォーラム(第5回 全国禁煙推進研究会)
2005.4.25
カラオケ店の受動喫煙
2004年7月〜2005年2月
のニュース
2004年1月〜6月のニュース
2003年9月〜12月のニュース