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パブも禁煙にしたアイルランド、家庭での喫煙は減少
2007年7月12日 禁煙広報センター

    米・ロズウェル・パークがん研究所のハイランドらの研究*1によると、「アイルランドでは、2004年の禁煙法施行から、22%の人が家庭での喫煙を制限、71% の人が家庭での喫煙に変化なし」ということが6月に明らかになった。アイルランドは、世界で初めてオフィスはもとより、パブやレストランなども含めたすべての労働環境を禁煙にする法律を定めた国である。この禁煙法の施行により、家庭での喫煙や飲酒が増加し、子どもたちに害を及ぼすことになるのではないかと懸念されていたことを背景に本研究は行われた。

 ハイランドらをはじめとする研究グループは、2006年の2月から3月にかけて、既に禁煙法が施行されているアイルランド(582人) 、当時は禁煙法が施行されていなかったスコットランド(507人)、その他UK諸国(828人)のそれぞれの成人喫煙者に電話によるインタビューを行い、禁煙法による家庭での喫煙、飲酒に及ぼす影響について調べた。その結果、アイルランド人が夜に家庭で喫煙する割合は、スコットランドとUKの人と同程度であった。アイルランドの禁煙法後の家庭での喫煙は、増えたのは6%のみで、71%は変化はなく、22%は、制限するようになったということも明らかになった。また、家庭でアルコールを飲む割合は、アイルランドではスコットランドとUKよりも低く、パブやバーで飲酒する割合は、アイルランドはスコットランドとUKと同程度であった。

図1.禁煙法施行後の家庭での喫煙の変化

 この結果を受けて、ハイランドらは、アイルランドの家庭での喫煙と飲酒は、その他UK諸国と比べて多いわけではないと結論づけている。さらに、本研究は、禁煙法はバーの収益に悪影響を及ぼさないとする研究結果と一致した結果であるとまとめている。

 この研究結果について、産業医科大学健康開発科学研究室の中田ゆり氏は次のようにコメントしている。
 「禁煙法の施行後に「家庭での喫煙に変化なし」、「家庭での喫煙は増加していない(影響はない)」と答える人が全体の9割を超えているのは、この法律ができたことにより、禁煙化の必要性・受動喫煙が体に及ぼす害についての情報が、国民に広く周知されたということではないか。その点でもこの法律は高い評価をすることができるだろう。

 禁煙法の施行後も、アイルランド人がパブやバーで飲酒する機会はスコットランドやUKと同程度であったという今回の調査の結果から、禁煙化されたことによりアルコールを提供する店が受ける経済的な影響も少ないことが推測される。

 2004年に日本で行った研究(中田・大和)*2では、法律により飲食店を禁煙化することにより店の収入が落ちるだろうと推測・危惧し、禁煙化に反対する店主が多かった。サービス業の中で居酒屋やバーにおけるタバコ煙濃度は最も高い。アイルランドの調査結果を参考に、日本でも飲食店の顧客や労働者を受動喫煙の害から守るために、法律による禁煙化を推し進めることが期待される。」


*1 European Journal of Public Health, published online 20 June 2007
*2 禁煙医師連盟総会 発表 中田ゆり・大和浩、2004

この件に関する問合せ先
禁煙広報センター (http://www.kin-en.info) 屈岡(くつおか)/坂本
電話: (03)5445-1273 ファックス:(03)5427-7325
e-mail:info@kin-en.info
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