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母親の喫煙は、子どもをメタボリック症候群に
2007年9月27日 禁煙広報センター

 8月に行われた禁煙学会で、群馬パース大学保健科学部の井埜利博客員教授は、子どもの受動喫煙とメタボリック症候群の関連についての研究結果を発表した。この研究結果によると、「母親の喫煙は子どもの尿中コチニン値に影響し、尿中コチニン値の高い子どもはメタボリック症候群になる可能性がある」ということが明らかになった。

 井埜客員教授らのグループは、2002年から2006年の5年間にわたって、小児生活習慣病検診時に、埼玉県熊谷市内の小学校4年生の希望者、合計1,048名を対象に、両親の喫煙に関するアンケート調査と尿中コチニン(UC)測定を行い、児童の受動喫煙を客観的に調査した。本研究は、その5年間の検診の結果を総括したものである。

 その結果、子どものUC値の高さの要因の1つに、母親の喫煙の有無があることが明らかになった。母親が喫煙者である子どものUC値は、両親が非喫煙者である子どもに比べると平均10.5倍高く、父親が喫煙者である子どもに比べても平均4.5倍高かった。また、子どものUC値は、母親の喫煙の有無だけでなく場所も影響した。両親が非喫煙者である子どものUC値に比べて、母親が居間で吸っている子どものUC値は、平均約17倍高く、外やベランダで吸っている場合でも、子どものUC値は、平均4.5倍高いということが示された。メタボリックとの関係においては、HDLコレステロールとUC値は負の関係にあり、メタボリック症候群予備群*1と考えられる子どものUC値はそうでない子どものUC値に比べて平均約3倍高かった。これにより、尿中コチニン値が高い子どもは将来メタボリック症候群になる可能性があることが示唆された。

 以上の結果に対して、井埜客員教授は、次のようにコメントしている。
「このように、子どもは母親との接触時間が長いため、母親の喫煙は子どもの健康に大きく影響している。たとえ換気扇の下で吸っていても子どもは受動喫煙を受けることになる。また尿中のコチニン値が高い子ども達は、脳内ドーパミンD1受容体数が低下するため、ニコチンを活発に求めるようになり、将来喫煙を開始する可能性が極めて高い。従って、これらの子ども達には集中的に防煙教育がなされることが望ましいと考えられる。また、受動喫煙を受けた子どもは肥満や高血圧になりやすく、この点からも両親の喫煙は好ましくないと思われる。現在のところ、個々の児童がどの程度の受動喫煙を受けているかを知るためにはコチニンのような生体内指標を測定することが最も良い方法なので、この方法を色々な地域で試みていただきたい。」
 
 尚、本研究の結果を踏まえて、熊谷市では新たな事業として、今年の10月から市内の全小学校4年生の希望者に公費負担で両親の喫煙アンケートと尿中コチニン測定による受動喫煙検診が実施されることになった。


*1 BMI≧25% or 収縮期圧≧130mmHg or 拡張期圧≧80mmHg or HDL< 50mg/dl
 
この件に関する問合せ先
禁煙広報センター (http://www.kin-en.info) 屈岡(くつおか)/坂本
電話: (03)5445-1273 ファックス:(03)5427-7325
e-mail:info@kin-en.info
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