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| 2003年10月23日 |
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フランスのシラク大統領と言えば、15年前までは1日2箱の愛煙家だったのに、1988年の大統領選でイメージアップのために禁煙に踏み切ったので有名だ。この大統領の下でフランスは今年3月以来、がん撲滅運動の一環としてたばこに対する戦争に突入している。
当時の大統領のたばこ中毒ぶりは、指がニコチンで茶色に染まっていたことからも明らかで、中毒になるほど神経質では大統領職には向かないのではないかと批判する向きもあった。当時のミッテラン大統領にもからかわれる始末で、シラク氏は最後の一服を吸った後で断固禁煙する決行日を決めた。
その日の朝、朝食の後で箱から一本取り出したが、「なぜ火をつけるんだ。ばかばかしいことじゃないか。私にはたばこを吸う本当の理由は無いんじゃないか」と自問、たばこを握りつぶし、箱は投げ捨てた。シラク氏は最後のたばこを吸わなかったわけである。これで禁煙できたのだから、よっぽど意志の強い人なのだろう。
こうして禁煙したシラク氏は、人にも禁煙を説き、昨年の大統領選ではがんキャンペーンを公約の一つに取上げた。フランスでは1年間に15万人があらゆる種類のがんで死亡しており、そのうちたばこによる死者は6万6千人に上る。
フランスには2千万人の喫煙者(喫煙率は男性33%、女性21%=2000年の政府調査)がいる。1991年には公共の場所での禁煙法が制定されているのに、個人主義の風潮が強いお国柄だけに、おなじみのカフェはたばこの煙だらけだ。「たばこによる死者はまもなく10万人を超すだろう」と、ジャン・フランソワ・マッテイ保健相は語っている。20年以上もたばこ規制を進めているのに、15─24歳の若い男女の半分がたばこを吸っている事実である。これはEU諸国の中で最高だ。
フランスのたばこに対する戦争は、
1.16歳以下への販売禁止
2.公共の場所での禁煙の強化
3.たばこ価格の大幅値上げ
の三つを柱に展開されている。値上げではさる1月、たばこ税のアップで約15%上がったのに、10月にはさらに約20%アップ、来年1月にも再々値上げされ、ざっと1年の間に約50%値上がりする勘定。
しかし、これには抜け穴もある。フランスでたばこが高くなれば、喫煙家は隣国のスペイン、ベルギー、イタリア、ドイツ、ルクセンブルグなどに買い出しに出かけたり、やみ市場のたばこに手を出したりすることもできるからだ。たばこ規制には値上げが有効な手段とされるが、陸続きのヨーロッパでは一筋縄ではいかない事情もあるようだ。
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